美容室において、もっとも重要視すべき「品質」は、お客様の髪そのものだと思います。
ただ、これを管理するのはとても難しいの事実。
理由として、
1)髪はお客様側にあるものであり、来店サイクルである数ヶ月に1回しかチェックできない。
2)時間の経過とともに刻一刻と状態が変わる。
3)同じものを作る製造業とは違い、生み出すスタイルは同じものは一つとしてない。
4)美容師個々の接客・技術対応に委ねられていて、組織的なチェックがしづらい。
主にあげられるとしたら、こんなところでしょうか。
1)〜3)はお客様との共同作業が必要です。
しかし、4)については、美容室側のマネジメントで解決できる部分だと思います。
数店舗美容室を経営しているオーナーさんとの会話で、こんなエピソードがありました。
美歴は「店舗管理サービス」という、オーナーさん向けのサービスがあります。
美容師さんが美歴アプリで登録する電子カルテの情報を一元的に管理閲覧できるものです。
あるとき、オーナーさんに管理画面の使い方(スタッフが作成したカルテの閲覧方法)を説明しました。
すでに、所属スタッフさんは美歴でカルテを作り始めていたので、実際のお客様の施術履歴を写真とともに閲覧できる状態でした。
–オーナーさん
「これ、何かのサンプルの写真ですか?」
–私
「いえ、、実際にスタッフさんが登録したカルテの写真ですよ」
–オーナーさん
「え、、これうちのスタッフですか。。もっとレベルあげなきゃだめですね。。」
責任者が現場ですべてのスタッフの施術をチェックするというのは現実的には難しいでしょう。
でもどんなに組織が拡大しても、仕組みの工夫で、このエピソードのように、組織的な品質チェックは可能です。
もちろん、多くの美容室がしっかりと品質管理、マネジメントをされていると思いますが、課題のあるサロンさんがあるのも事実なんだと思います。
早速オーナーさんはスタッフさんに技術面での課題を指摘し、そのスタッフさんも自己認識して重点的な練習をしたそうです。
スタッフ1、2名の店舗であれば、目が行き届く範囲でできるかもしれませんが、
店舗が拡大していけば、お客様の”髪”の品質管理を組織的に行うのはとても難しくなるでしょう。
これからの時代、生涯顧客化が、重要であることは言わずもがなです。
サービス業の中でも特に難しい、美容室の品質管理。
これを組織的に課題解決できるサロンは、大きな強み、武器を持つと言ってもいいのかもしれません。
記事筆者:藤波裕樹