お金を払っている人の気持ちを考える
世界最強企業は従業員の意識が高い
「借り手になるな貸し主になれ」
AmazonのCEOジェフ・ベゾスが株主に送った書簡に書かれた言葉です。
彼は社員たちに対して、つねにこう訴え続けているそうです。
この言葉にAmazonが企業として世界のトップに上り詰めようとしている要因を感じます。
「借り手になるな貸し主になれ」とは何を訴えているのでしょうか?
貸す人の思いと借りる人の行動の違い
・小さいとき、友だちに漫画本を貸したことはありませんか?
・子どものとき、グローブを友だちに貸したことはありませんか?
・小学生のとき、大切なぬいぐるみを友だちに貸したことはありませんか?
貸した友だちは、ポテトチップスを食べながら漫画を読んだかもしれません。
あなたのグローブを泥だらけになるまで使ったかもしれません。
遊び終わったぬいぐるみをそこらへんにほっぽり出したかもしれません。
大学生のとき、サークルの代表をしていて、バイトで貯めたお金で、けっこう豪華なBBQセットを買ったことがあります。サークルのメンバーが「BBQをしたいから」というたびに貸し出しました。
戻ってきた私のBBQセットは、いつも油まみれ、灰だらけ、でした。
自分のものであるとき、漫画本も、グローブも、ぬいぐるみも、BBQセットも、長く使いたいから大切に扱います。奇麗にメンテナンスしておきます。
しかし、誰かから借りたもののとき、「ま、このくらいでいいか」って気持ちが出てきてしまうものです。
どの場面でも、所有者と非所有者の立場がある
今、勤めている美容室があなたのお金で作ったものだと想像してみてください。
ほかの誰かが、適当に掃除しています。
椅子を乱暴に扱って移動させています。
スタッフルームが雑然と汚いままにしています。
どう感じますか?
カラー剤やパーマ剤をあなたのお金で買いそろえたとします。
ほかの人が余った剤料を、ぽんぽん捨てています。
どう感じますか?
私もこんな歳になって、このベゾスの言葉を聞いて、考え直させられるところがたくさんありました。
相手の立場になって、もっとモノごとを考えないと、その行動によって、誰かの心に負担をかけている事実。
善意ではなくて、そう感じている人がいる事実
善意の人になれ、とは言いませんが、少なくとも一緒に働いている仲間のことくらいは、その立場になって考えられる集団でないと。
ベゾスはさらに、この考え方を顧客に対しても持つように求めています。
顧客はお金を払ってサービスを利用している。
これは”貸し手”と同じ立場です。
お金を払っている貸し手(顧客)はどんな気持ちでいるのか。
そこに思いを馳せることの大切さ、をITの王者はスタッフたちに求めています。
テクノロジーだけで世界は取れないんだなぁ、ということ。
SNSがインフラになった今こそ、相手の立場、相手の気持ちになることの重要性を、ベゾスは教えてくれています。