「某30代男性向け週刊誌」の編集者、
なべちょーさんからの依頼により、
リサーチしてきた
「池袋ハードコア企画」。
前回までの流れはこちらを。
『星屑のなかを雑念ワゴンで、ひとりっきり~狙い通りにならないときが勝負どき~』
|失敗は取り戻そうとした時、失敗でなくなる
さてさて、
カラフルなカラギャン
15名のリサーチが
ほぼ失敗に終わり、
私は失意のなか、
突破口を求めて国会図書館へ向かった。
今はネットで何もかも調べられる時代だが、
当時はそんなサービスはなく、
国会図書館や、
大宅文庫、
または各新聞社へ行って
調べるのがつねだった。
ここでポイントになるのが、
”何を調べるか”だ。
|複雑な事態を紐解くのは小さなヒント
そもそもカラーギャングとは和製英語。
つまり、日本でしか使われていない。
このカラーギャングという言葉、
もしくは、彼らが最初に報道されたのはいつだろうか。
その疑問を感じた私は、
過去の新聞を徹底的に調べた。
しかし、今みたいに、
「キーワード検索」
なんてない時代。
過去の新聞を片っぱしから読むしかなかった。
よくテレビドラマや映画などで、マイクロフィルムに収納された新聞を読むシーンがあるが、あのままだ。
|自分に課題を与えることで必死さが生まれる
もはや行くあてのない私は、
ここが最後の勝負どころだった。
徹底的に調べた、
1年、2年、3年……
今となっては、
何年前のことか忘れてしまったが、
何年も遡っていると……、
その記事がずばーーーんと目に入ってきた。
「色付きのジャージを着た若者の集団が……」
私はその記事に釘付けになった。
その日付を境にして、
私はどんどん現代に向かって、
逆流した時間を取り戻し始めた。
|きっかけが生まれるとあとは激流になる
すると不思議なことで、
今まで見えなかった事件の、
その小さな三文記事が、
目に入るようになった。
むさぼり読むように、
目を皿にして、
過去の新聞を漁った。
そして必死でメモをとった。
これがリサーチだ!
これが取材なのだ!
と心で叫んだ。
今までまったく見えなかった、
ハードコア記事の、
その全貌が、
だんだんと、
ぼんやりながら、
徐々に見えてきた気がした。
|時間なんてどう過ごすかで決まってくる
あっという間の5時間だった。
そして、
大量のメモを手に、
初めての満足感を胸に、
誇らしい笑顔を見せながら、
図書館を後にした。
つづく。
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